日本の科学研究力について・・・

論文タイトル

Japanese research is no longer world class — here’s why

出典

Japanese research is no longer world class — here’s why
Despite a strong workforce, Japan’s research continues to slide down the indicators of quality.

要旨

日本の研究力の国際的地位が下がっており、その要因として研究環境の問題を提示した、ニュースレポートになります。

解説など

本日は趣向を変えて、nature のニュース記事から。日本の科学研究力についてです。

記事の概要としては、

  • 日本の研究力の国際的地位が下がっている
  • その要因の一つには、研究環境(資金と研究時間)に対する課題が挙げられる

という内容です。

報告書によると、最も多く引用された論文の上位10%に入る日本の研究論文の世界シェアは、20年前の6%から2%に低下しており、国別で13番目にあたります。

研究基金に関する方針については、最近、10兆円規模の大学ファンドの支援校となる「国際卓越研究大学」の候補に、東北大学を選んだことが話題となりました。本来予定していた4~6機関ではなく、1機関、それも東大や京大を退けての選考でした。諮問委員会が、これまでの研究実績よりも経営改革を重視していることを示唆しています。一方で、東北大学が掲げる改革戦略を実現できるかも、また議論の的になっているところです。

文部科学省の2020年の分析によると、大学の研究者が研究に費やした時間の割合は、2002年から2018年の間に47%から33%に減少しました。研究環境については、現在、日本の大学の研究者20人当たり技術者は1人となっており、この数字は他国に比べて著しく低いです。雇用資金の問題だけでなく、管理タスクが増えると研究に集中できずに、技術者を育てる時間が作れない、という問題もはらんでいそうに感じます。