論文タイトル
How successful are AI-discovered drugs in clinical trials? A first analysis and emerging lessons
出典
要旨
AI 創薬の臨床試験実績について解説した記事です。
解説など
筆者らは創薬に AI を活用しているプロジェクトを調査し、統計的な解析と考察を行っています。
調査対象は、AI を主要技術として活用しているバイオテクノロジー企業 “AI-native Biotechs” です。いわゆる従来技術を活用した創薬関連サービスを提供する企業や、ビッグファーマではなく AI-native な企業にフォーカスしているのが特徴です。これには先端技術である AI 創薬へは AI スタートアップと提携して取り組んでいるだろう、との仮定です。Supplementary Table にその企業名が記されており全部で114社あります。
これらの企業が関与したAI 創薬プロジェクトを 2015 年から数えると、計75個の薬が臨床入りしています。これらのプロジェクトを筆者らは以下の5つに分類しています。
- 標的探索
- 低分子創薬
- バイオロジクス創薬
- ワクチン創薬
- 薬剤の用途変更
5年前までは、用途変更における AI 活用が多くを占めていましたが、ここ4年間で分子設計に AI を活用している案件が非常に増えていることがわかります。2023 年は全部で 67 プロジェクトが臨床入りしていますが、そのうち標的探索における AI 活用が 24、低分子創薬が 22、抗体が 4、ワクチンが 6 です。具体的な薬剤名も Supplementary Table を見るとわかります。より具体的にどのように AI を活用しているかは、本文で言及していませんので、詳細は追加で調べる必要があります。
本文では、Phase I, II における開発の成功確率に焦点を当てて言及しています。特に Phase I の成功率は一般的には40%程度なのですが、調査対象の AI 創薬案件では80%程度あり、非常に高いとのことです。