はじめに
DNAのde novo合成や、マイクロアレイ技術や自動化技術の活用によって、近年は安価に多検体を調製できるようになりました。遺伝子合成サービスを提供する各社も技術の発展に伴いサービスの内容や質が多様化しているように思います。今回は各社の遺伝子合成の受託サービスをその特徴をもとに用途別に紹介したいと思います。
2種類の合成手法
DNA合成には、合成担体の違いからカラム合成法とアレイ合成法の2種類に大きく分類されます。
カラム合成法は、ホスホロアミダイト法をベースとした従来広く利用される合成技術で、自動化プロセスの導入により~384オリゴを同時に~100 nmolスケールで合成可能です。コストは~$0.15/nt程度、合成エラー率は~0.05%/ntが目安になります。
アレイ合成法は、マイクロアレイに光学や電気化学的な微細制御技術を用いてDNAを合成する技術です。カラム合成法に比べて小スケールでエラー率も高いですが、多検体を低コスト(~$0.001/nt)で調製することができます。
遺伝子合成に付随するサービスは多岐に
カラム合成法を利用する遺伝子合成サービスはこれまで広く利用され続けてきた背景から、幅広いオプションサービスを提供しています。合成収量に選択幅があり、カスタムベクターへの挿入はもちろんのこと、遺伝子クローニングを経たプラスミド抽出工程による増幅ができることが多いです。またマイクロプレートからマイクロチューブなど様々な形態で納品できることがあります。
おすすめサービスの紹介
筆者から上記2つの手法を利用したサービスを各1社ずつ紹介したいと思います。
Genewiz
2~5ugの収量で合成遺伝子を納品可能。コドン最適化やsite saturation libraryなどニーズの高いオプションサービスも一通り提供されています。シーケンスサービスも提供されており、国内に営業所、ラボがあるためサンガーシーケンシングであれば迅速に解析データを納品できます。
Twist Bioscience

マイクロアレイ合成を活用し圧倒的なコストパフォーマンス(9¢ /bp)で合成を依頼できることが特徴。プラスミド量も~1mgまで調製が可能で汎用的に活用できるオプションも豊富です。
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