論文タイトル
The LEGO® brick road to open science and biotechnology
出典
Trends Biotechnol. 2022 Mar 18;S0167-7799(22)00034-8.

確認したいこと
- LEGOの生物学研究への応用事例とコミュニティなど
 
要旨
プラスチック製の組み立てブロック玩具であるLEGOの、バイオテクノロジーを含む科学分野への応用事例について紹介されています。
章立て
- LEGOブロック:おもちゃ箱から実験室ベンチまで
 - LEGOブロックを使った建築、創造、発明
 - 科学におけるLEGOデザイン
 - LEGOを用いたバイオテクノロジー研究と教育
- 教育/STEM/STEAM
 - 機器
 - 生物研究
 
 - これまでの歩みの続きとその先
 - 総括と将来展望
 
- BOX1:歴史的な視点
 - BOX2:LEGOブロックアート
 - BOX3:その他の科学分野におけるLEGOブロック
 
解説など
レゴブロックを科学分野に応用した事例を紹介した総説です。オープンサイエンス、アート、教育の分野に興味があるため、詳細を確認してみました。
本文中には、非常に様々な種類の応用事例が紹介されています。例を挙げると以下のとおりになります。
- Cubestormer(ルービックキューブを自動で解くロボット)
 - 自動車
 - SLJ900(橋梁建築)
 - 点字プリンター
 - 義手
 
各々の詳細を確認できるほど、紙面を割いて解説されていないので、詳しくは表に掲載されたリンクで確認する必要があります。
レゴブロックは精度高く規格化されているため、ロボットと組み合わせて精密機器を作成することが可能です。また素材に適度な頑健性もあるため、大型の機械を構築することもできます。
もちろん、あえてLEGOを使わなければならない理論的根拠やメリットがあるか、というところを考慮する必要があります。教育分野において、なじみのある素材(レゴブロック)で作成された機器を見ながら、その仕組みを理解する、というのが最も理にかなっていると感じました。人が知覚しやすいサイズに拡大・縮小し、単純化できれば、より理解が進むでしょう。
肝心の生物分野における応用事例としては、比色計や顕微鏡、AFMなどのツールをレゴブロックで再現したり、遺伝子のスワッピングをレゴで再現して、ゲノムの進化や可変性の概念を説明した事例が紹介されていました。また、細胞の伸展とイメージング機能を兼ね備えた細胞培養装置などもあるそうです。

単純な構造物としての役割だけでなく、モーターなどのアクチュエーターとしても機能する点から、応用範囲が広いように感じます。総じてレゴブロックは、DIYやオープンサイエンスと非常にマッチしたツールであるといえます。
追加調査したいこと
まだ詳細は確認できていませんが、デザインを支援するツールもありそうですので、追加で確認してみたいと思いました。

  
  
  
  
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