論文タイトル
The prospects of quantum computing in computational molecular biology
出典
Just a moment...
確認したいこと
深層学習を利用した、タンパク質構造予測・デザイン手法をベンチマークしています。
先日の記事で、量子コンピュータの利用について紹介したので、数少ない量子コンピュータ関連の論文のうちの一つを、また紹介したいと思います。
要旨
量子コンピュータの原理・アルゴリズムなどについて広く概説したレビュー論文です。
章立て
- 緒言
- 量子情報プロセシング
- 量子アルゴリズムの要素
- 量子情報:量子ビットの導入
- 量子ゲート
- 量子ハードウェア
- 量子アルゴリズムの要素
- 統計学と機械学習
- 量子機械学習の利点と欠点
- 量子機械学習のアルゴリズム
- 教師なし学習
- 教師あり学習
- ニューラルネットワークと深層学習
- 量子力学の効率的なシミュレーション
- 量子シミュレーションの利点と欠点
- 量子シミュレーションのアルゴリズム
- フォールトトレラント量子計算
- 短期量子
- 最適化問題
- 量子プロセシングによる最適化
- タンパク質構造予測
- 結言
解説など
章立てをご覧いただければわかりますが、タンパク質工学に特化した内容は、ほぼありません。量子コンピュータのアルゴリズムや、機械学習とのつながりについて、概説したレビュー論文となります。同様の内容は日本語でわかりやすく解説された書籍もありますので、ご参照ください。
表1に、様々な量子機械学習アルゴリズムが整理されていますので、各アルゴリズムの引用論文に当たるうえで大変便利です。
タンパク質の構造予測についての言及が、最後から1つ前の章にあります。
現在の量子コンピュータは、タンパク質格子モデルに焦点が当てられています。各ノードにアミノ酸残基を充て、残基間の相互作用エネルギー関数を用いて計算します。いくつかのエネルギー関数が存在しますが、量子コンピュータに用いられているのは、以下の2種類のみです。
- 疎水性ー極性モデル
- Miyazawa-Jerniganモデル
D-Wave 2000Qプロセッサを用いて、キノリン(10残基)とTrp-Cage(8残基)の基底状態をシミュレーションした事例が、これまでに適用された最大のペプチドになります。
また、最近の論文では、タンパク質格子モデルのほかに、Rosettaエネルギー関数を用いて、ロータマーサンプリングのために量子アニーリングを用いた事例も存在します。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/752485v1
コメント