論文タイトル
Protein interaction interface region prediction by geometric deep learning
出典
Bioinformatics. 2021 Mar 6;37(17):2580-2588.

Protein interaction interface region prediction by geometric deep learning - PubMed
Supplementary data are available at Bioinformatics online.
確認したいこと
深層学習を利用した、タンパク質構造予測・デザイン手法をベンチマークしています。
要旨
深層学習を活用して、特定のリガンド・レセプター間の相互作用界面領域を予測するための手法、PINetを提案した論文です。
解説など
筆者らは、相互作用予測に関わる従来の手法を、下記のとおり様々な角度から分類しています。
相互作用予測計算法
- 物理モデル
- データ駆動・機械学習モデル
機械学習アプローチのタンパク質表現手法
- 配列情報を活用
- 構造情報を活用:BIPSPI、PAIRPred
機械学習アプローチのタスク分類
- 界面領域予測:MaSIF、PECAN
- 接触予測:ComplexContact、SASNet
- 接触予測結果を後処理して、界面領域を予測:BIPSPI、PAIRPred
界面領域予測の分類
- パートナー非依存的予測:MaSIF
- パートナー依存的予測:Sela-Culang et al.、Hua et al.
この中で、筆者らが提案するPINetという手法は、以下の特徴やタスク定義に分類される手法となります。
- 物理モデル(ポイントクラウドの構築、残基ごとの電荷や疎水性の同定)とデータ駆動モデル(点群データを用いた深層学習アプローチ)の両方の利点を活用した手法
- 界面領域予測かつパートナー特異的予測
予測モデルのアーキテクチャの概念図は原著の図2で示されていて、非常に複雑です。多段階の特徴量抽出を経た深い予測モデルが構築されています。このネットワークのベースはPointNetであるとのことです。
筆者らは3つのデータセットを用いて、3段階でPINetの有用性を評価しています。
- Step1 : Protein Docking Benchmark 5.0 (DBDS)のデータセットを用いて、タンパク質間相互作用の予測精度を評価
- Step2 : MaSIFのデータセットを用いて、大規模かつ精錬されていないデータセットを用いた予測精度を評価
- Step3: 抗体抗原結合予測を対象に、PINetのパフォーマンスを評価
結果は、いずれも従来法と同等以上の性能を示したと主張されていました。
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