PDBの蛋白質構造を3Dプリンターで出力する方法

3Dプリンターを使用すれば、これまでディスプレイで閲覧していた蛋白質の3次元構造を手にとって見ることができるようになります。

蛋白質構造のデータバンクであるPDBから各蛋白質の結晶構造情報を含む.pdbファイルをダウンロードすることができます。一方市販の3Dプリンターで出力するには3Dデザインを.stlファイルに変換することが必要です。

本記事では、Pymolを使って.pdbファイルを.wrlファイルへ、3DCGソフトのBlenderを使って.wrlファイルから.stlファイルに変換する手順を解説します。

  1. PDBファイルのダウンロード (PDB)
  2. PDB→WRLファイル変換 (Pymol)
  3. WRL→STLファイル変換 (Blender)

PDBファイルのダウンロード (PDB)

以下のサイトからPDBのウェブページにアクセスします。

RCSB PDB: Homepage
As a member of the wwPDB, the RCSB PDB curates and annotates PDB data according to agreed upon standards. The RCSB PDB also provides a variety of tools and reso...

検索窓から目的の蛋白質を探します。以下には例としてPD-1の結晶構造(PDB ID: 2M2D)のページをお示しします。ページ右上の”Download Files”から”PDB Format”を選択しファイルをダウンロードしましょう。

PDB→WRLファイル変換 (Pymol)

PDBファイルをWRLファイルに変換するにはPymolを使用します。Pymolのインストールには過去に記事でまとめていますのでご参照ください。

インストール先のディレクトリにPyMOL.exeが作成されていますので、そこからPyMOLを起動することができます。File→OpenでダウンロードしたPDBファイルを開きましょう。必要に応じて蛋白質構造のビジュアルを変更しましょう。最終的に3Dプリンターで出力するには分子構造をSurface表示するのがおすすめです。

WRLファイルとして出力するには、File→Export Image As…→VRML 2…を選択します。

WRL→STLファイル変換 (Blender)

次に3DCGソフトをインストールします。個人的にはFusion 360をこれまで使用していたのですが、WRLファイルに対応していないようだったので、新しくBlenderをインストールしました。以下のサイトから各OS対応のインストーラーをダウンロードできます。

Download — blender.org
The Freedom to Create.

STLファイルへの出力はファイルタブから行うことができます。

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