論文タイトル
Rosetta FunFolDes – A general framework for the computational design of functional proteins
出典

PLoS Comput Biol. 2018 Nov 19;14(11):e1006623.
確認したいこと
以前の記事で、モチーフグラフティングのためのRosettaプロトコル、”Fold From Loops” (FFL) についての記事を公開しました。
今回は、FFLの改良版であるRosetta FunFolDesについて紹介します。
要旨
非連続な複数のセグメントモチーフをスキャフォールドに移植できる手法、FunFolDesについて解説した論文です。
解説など
FFLは、スキャフォールドを柔軟に構造緩和させることで、その構造を保持したまま機能モチーフを挿入する手法でした。一方でこのFFLは、単一のセグメントのモチーフグラフティングに制限されます。筆者らは、この制約を取り払った新規手法を、Rosetta Functional Folding and Design (FunFolDes)として公開しています。
FunFolDesの特徴
FunFolDesの既存手法と比較したときの主な改善点は、以下の5つです。
- 複数の不連続セグメントへ適応(先述)
- シミュレーション時に機能モチーフの結合パートナーを含めた構造モデルを用いてデザイン
- 局所的な構造に対して特異的に制約を付与
- Rosettaの内部の2次構造予測手法を用いてフラグメントを選択(FFLでは外部ツールを利用)
- ユーザビリティの改善(RosettaScriptsと互換性あり)
手法
デザインの手順は下記のとおりです。
機能モチーフの選択
モチーフの内部に関しては、プロトコル全体で固定されたままです。
スキャフォールドの選択
フラグメントデータベースの作成
このステップでRosettaの内部ツールを用いたon the fly FragmentPickingを利用します。
制約条件の設定
グラフティング構造の構築
構築された構造はセントロイド(側鎖原子群を単一の仮想原子として粗視化)で表現します。
グラフティング構造のフォールディング予測
機能モチーフの結合パートナー構造を付与
フォールディング予測
NubInitioMoverというmoverを利用。
配列設計と構造緩和
ループ閉鎖
CCDプロトコルを利用。
配列選択・スコアリング・ランキング
筆者らは、この論文でFunFolDesの使用例として、EBVの結合タンパク質のデザイン、ウイルスエピトープのデノボスキャフォールド(Top7)移植などを公開しています。ぜひ原著でご参照いただければと思います。
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