【構造予測】AlphaFold でも変異効果は予測できます

論文タイトル

AlphaFold2 can predict single-mutation effects

出典

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.04.14.488301v5

要旨

AlphaFold の変異効果予測を、effective strain を指標に捉えることができることを示した論文です。

解説など

過去に報告された文献では、AlphaFold が、対象タンパク質変異による構造変化をとらえることができるかどうかは、諸説ある状況でした。本論文では、AlphaFold でも変異効果を予測できるという立場にたち、その仮説を検証しています。

筆者らが、AlphaFold で変異効果を捉えるために行った工夫は、”effective strain”(有向ひずみ、ES) という指標を取り入れたことです。ESは、とある残基の Cα から 13 Å 以内の 隣接する Cα までの距離の平均相対変化です。一般に AlphaFold で算出される構造指標は、RMSD や pLDDT が推奨されるわけですが、それらではなく、ES のような局所的な変化を指標にすることで、変異の効果を好感度に捉えることができることを検証しています。

実際に、本文中では、ES を指標とすることにより、PDB の実験構造と AF で相関があることが示されています。

本論文は 2022 年に公開されていますが、最近筆者らはこの ES の計算のためのコードを github に公開しました。これを機に本手法をお使いいただくのは、いかがでしょうか。

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