Human Protein Atlas とは
Human Protein Atlas とは、ヒトを中心に様々な器官、組織、細胞ごとに分類されたタンパク質の、発現や局在に関するデータベースです。
2003年からスウェーデンの国立機関を中心に開発されています。スウェーデン王立工科大学(KTH)、ウプサラ大学、スウェーデン国立研究所の SciLifeLabがその運営機関です。またKunt and Alice Wallenberg Foundation(スウェーデン)により資金援助をうけています。
活動20年を期に、沿革がわかりやすいイメージとともに解説されていたので、ご参照ください。
アトラスの種類
Human Protein Atlasは、2021年時点で7種類のアトラスから構成されています。
• The Tissue Alas ヒトの組織や器官ごとの遺伝子発現解析
• The Cell Type Atlas ヒト細胞種ごとの遺伝子発現解析
• The Cell Atlas 1細胞におけるタンパク質の細胞内分布解析
• The Pathology Atlas がん種ごとのがん関連タンパク質レベルの解析
• The Brain Atlas 脳組織中の様々な領域ごとの遺伝子発現解析
• The Blood Atlas 血液細胞ごとの遺伝子発現解析
• The Metabolic Atlas 代謝経路ごとの遺伝子発現解析
分析手法
Human Protein Atlas のデータベースには、以下に示す解析データが格納されています。
- Immunocytochemistry
- Immunohistochemistry
- Protein array
- Western blot
- Transcriptomics
- HPA RNA-seq data
- GTEx RNA-seq data
- FANTOM5 CAGE data
- scRNA-seq data
- External blood RNA-seq data
- TCGA RNA-seq data
- TCGA survival
データベースの特徴
このデータベースの特徴はなんといっても、丁寧に情報整理されたポータルサイトです。遺伝子や疾患に関するサマリーページがとても充実しているため、データベースとして目的の遺伝子情報を抽出できるだけでなく、ヒトの組織や疾患に関する概要を調査する目的でも重宝できます。
また、染色された細胞や組織の3次元イメージが、動画としてまとめられています(この動画のイメージファイルはダウンロードできないと思います)。
別の記事では、Human Protein Atlasからダウンロードできる網羅データの構造について解説していこうと思います。
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