論文タイトル
Closed loops of nearly standard size: common basic element of protein structure
出典
FEBS Lett. 2000 Jan 28;466(2-3):283-6.

Closed loops of nearly standard size: common basic element of protein structure - PubMed
By screening the crystal protein structure database for close Calpha-Calpha contacts, a size distribution of the closed loops is generated. The distribution rev...
確認したいこと
「閉鎖ループ」の詳細を確認するため、引用された論文を追ってみました。
要旨
閉鎖ループの特徴や、ループが様々なタンパク質に高頻度に存在する理由を、データベースをもとにした統計や、物理化学的なシミュレーションから考察しています。
解説など
結晶構造データベースをもとに閉鎖ループのサイズ分布を評価しています。27±5残基がループサイズの最頻値だそうです。ループの両側の根本を結んだ距離(end-to-end) を5~10Åまで変えても、この傾向は変わっていません。
このようなループは、一つのタンパク質の中に複数存在し、全体のおよそ40-85%を占めると言われています。従って、閉鎖ループは、タンパク質構造の主要な構成要素であるとのことです。
閉鎖ループは、部分構造においては、らせん、ターン、βストランドなど様々な構造を含んでいます。
persistence length の観点からも、27±5残基より短いと剛直すぎてループを形成できず、長いとループの根本が独立的に存在してしまうため、妥当な距離であると考えられます。
Persistence length - Wikipedia
この論文においても、アミノ酸の種類に関する特徴は、言及されていませんでした。高次構造のみに依存し、局所的な特徴は重要ではないということでしょうか。
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