【2020年版】 バイオ研究者必見、おすすめコンピテントセル紹介

コンピテントセルの分類

今回は遺伝子工学実験に必須なコンピテントセルについて紹介します。細菌への形質転換には、

• ヒートショックによる化学的な形質転換法
• エレクトロポレーション

の2つがあります。ヒートショックは特別な装置を必要とせずスループットが高い技術であり、エレクトロポレーションは形質転換効率が高く、より幅広い種類の細胞に適応できるという特徴があります。そして現在、それぞれの手法に適したコンピテントセルが市販されています。本記事では、一般的な遺伝子クローニングを主目的に使用されるヒートショック用のコンピテントセルについて注目したいと思います。

コンピテントセルの遺伝子型

異なる種類のDNAを細菌へ形質転換し増幅するためには、適切な特徴を有する宿主を選択する必要があります。細菌の性質はその遺伝子型に大きく依存します。以下に市販のコンピテントセルの種類と主な遺伝子マーカーとの対応をお示しします。

コンピテントセルの選択

以下の観点からおすすめのコンピテントセルを紹介します。

  1. コストパフォーマンス
  2. 形質転換効率
  3. 細胞増殖速度

コストパフォーマンス

遺伝子クローニング用途において最も汎用的に使用されるコンピテントセルの菌株はDH5αだと思います。X-Galによる青白選抜を利用したコロニースクリーニングが可能です。またrecA1変異により挿入プラスミドの安定性を向上、endA変異により精製時におけるDNAの品質を向上することができます。

コンピテントセルを販売する多くのメーカーはDH5α株を提供しています。本記事ではNEBの製品を紹介します。NEBは他メーカーと比べ、分注サイズのレパートリーが豊富であることが特徴です。200, 50 uLのチューブサイズとともに96, 384 well plateサイズの製品を提供しています。

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形質転換効率

各メーカーは高形質転換効率を謳う独自の菌株を販売しています。どれもメチル化DNAや長鎖DNAなど特殊なプラスミドの安定的な形質転換に寄与するジェノタイプを有していることが特徴です。

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細胞増殖速度

NEB Turbo Competent E. coliは、寒天培地で6.5時間でコロニー形成、4.5時間の液体培養でプラスミドを調製できることを特徴にしたコンピテントセルです。仕込みから回収までオーバーナイトの時間を活用した慣例的な実験サイクルを、日中時間を活かすことで2倍の回転数に短縮化することも原理的に可能です。

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