論文タイトル
De novo peptide structure prediction: an overview
出典
Methods Mol Biol. 2015;1268:1-13.

De novo peptide structure prediction: an overview - PubMed
Peptide structure identification is an important contribution to the further characterization of the residues involved in functional interactions. De novo struc...
確認したいこと
- ペプチド構造の構造予測手法
要旨
in silicoでペプチドの構造を予測する手法について、解説されたレビュー論文です。
章立て
- 緒言
- ペプチド構造の3Dモデリング
- ホモロジーモデリングとDe Novoモデリングの特徴
- De Novo ペプチドモデリングの手法
- 分子動力学シミュレーション
- ペプチド特有のモデリング法
- 現在の課題と展望
解説など
50アミノ酸残基を下回るペプチドの構造予測は、一般的なタンパク質の構造予測で利用されるホモロジーモデリングとは違った手法を用いられることが多いです。その理由としては、ペプチドが大きなタンパク質と比べて柔軟であることや、PDBに登録されたデータセットが少ないことが挙げられます。
ペプチドの構造予測は、大きく以下の2種類の手法に分類されます。
- 分子動力学シミュレーション
- ペプチド特有のモデリング手法
分子動力学シミュレーションは、古典的なニュートンの運動方程式に基づいて構造解析する手法です。熱力学的な情報を含めて予測することができる一方で、膨大な計算時間が必要で、扱えるペプチドの長さに限りがあることが特徴です。
計算時間を削減するため、陰溶媒モデルを用いたり、Replica Exchange MD法(REMD法)が用いられることがあります。
ペプチド特有のモデリング手法とは、ペプチド分子に共通してみられる物理化学的な特性を前提にすることで、パラメータを制限して、シミュレーションを行う手法です。下記のような手法が例として挙げられます。
- Geocore
- PEPStr
- Bhageerath
- PepLock
- PEP-FOLD
- Rosetta
- I-Tasser
これらの多くが、ペプチド主鎖におけるΦ/Ψ角の取り得る組み合わせを数十個定義して、そこから構造を探索する手法がとられています。PEP-FOLDの典型的な実行時間は、36残基のペプチドに対してわずか40分であり、高速に予測できることが特徴とのことです。
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