論文タイトル
Anatomy of protein structures: visualizing how a one-dimensional protein chain folds into a three-dimensional shape
出典
Proc Natl Acad Sci U S A. 2000 Oct 24;97(22):12038-43.

確認したいこと
下記の記事元の論文で引用されていた、タンパク質のビルディングブロックのコンセプトについて
要旨
タンパク質のフォールディングモデルに基づき、タンパク質の構成ユニットの同定や、フォールディング経路を解析する手法について、紹介されています。
章立て
- 緒言
- 材料・方法
- 結果
- 解剖樹形図とフォールディング経路:アクチンを例に
- α-ラクタブミンのケース
- 考察
- 解剖樹形図:静的かつ天然のフォールディングから、動的なフォールディング経路を可視化
- 解剖樹形図の有用性
- 結言
解説など
本論文では、疎水性折りたたみユニット(hydrophobic folding unit, HFU)を一つの構成単位として、それらが組み合わさることで、正常なタンパク質が形成される過程を解析しています。
HFUは、以下の指標によりスコアリング化されることで定義されます。この定義において、HFUはフラグメントサイズに依存しないことが特徴です。
- compactness
- degree of isolation
- hydrophobicity
筆者らは、タンパク質のフラグメントが組み合わさっていく過程を、樹形図で示しています(原著論文図2)。上位に向かうに従って、大きなビルディングブロックが大きくなっていきます。この樹形図に沿う流れは、タンパク質のフォールディング過程であると考えられます。これによって、フォールディング中に存在する構造中間体を解析することも可能となります。
この論文では、アクチンや、α-ラクトアルブミンの解析例が示されていました。
過去には解析用のウェブサイトが公開されていましたが、現在は閉鎖されているようです。
追加調査したいこと
本文中に、タンパク質フラグメントの安定性は、”population time”を反映する、と示されていました。”population time”というのは大事なキーワードのようなのですが、正しい定義をつかみきれず。他の文献なども追って確認してみたいと思いました。
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