論文タイトル
Molecular Dynamics Simulation for All
出典
Neuron. 2018 Sep 19;99(6):1129-1143.
NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic
確認したいこと
タンパク質の構造予測やデザインにおける、分子動力学シミュレーションの現時点での可能性や課題について調べてみました。
要旨
タンパク質の分子動力学シミュレーションに関するレビュー論文です。
用語
- MD: molecular dynamics
章立て
- MDシミュレーションとは何か:基礎
- MDシミュレーションは、どのような情報を提供するか
- MDシミュレーションは、実験作業にどのように貢献するか
- MDシミュレーションは、創薬にどのように貢献するか
- MDシミュレーションの実践的な考察
- 結言
解説など
本論文はNeuronの雑誌に掲載されているため、MDシミュレーションとは何か、どのような情報が得られるのか、何に活用できるかなど、基本的な事項の解説にフォーカスしています。
解析手法開発の変遷や、最新手法の紹介など、技術的な説明はほとんどありませんでした。
MDシミュレーションの活用用途としては、以下のものが挙げられています。
- 生体分子の運動性や柔軟性を評価する
- モデル構造の精度を評価する、またはモデル構造を精密化する
- リガンド結合構造を予測する
- 外部環境の変化(リガンド結合、アミノ酸変異、翻訳後修飾、プロトン化、溶媒効果など)の影響を予測する
特に創薬研究においては、ヒット分子の仮想スクリーニングや、その最適化に頻繁に利用されます。アゴニスト作用を示す分子の場合、標的抗原の構造変化を予測しなければならないため、時系列情報を含むシミュレーションの情報は、静的な構造情報を凌ぐものとなります。GPCRへのリガンド結合への適応事例も紹介されていました。
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