論文タイトル
BioPhi: A platform for antibody design, humanization, and humanness evaluation based on natural antibody repertoires and deep learning
出典
MAbs. 2022 Jan-Dec;14(1):2020203.

確認したいこと
深層学習を利用した、タンパク質構造予測・デザイン手法をベンチマークしています。
要旨
抗体のヒト化スコアの算出と、ヒト化デザインを計算機で行うためのプラットフォームBioPhiを紹介しています。
解説など
本論文は、抗体のヒト化に関わる解析の統合プラットフォームBioPhiを紹介した論文です。
BioPhi内には、大きく以下の2つのツールが存在しています。
- OASis:抗体のヒト由来性評価
- Sapiens:抗体のヒト化デザイン
BioPhiは、ウェブページで公開されています。早速みてみましょう。
ブラウザ上のGUIで配列を入力し、クライテリアを指定して実行することで、抗体の免疫原性を予測したり、ヒト化配列を取得することができます。
GitHubでコードも公開されています。
以下に、解析アルゴリズムの概要について紹介します。
まず、抗体のヒト由来性評価についてです。既存のものでは、以下のような解析手法が存在していました。
- Zスコア
- T20スコア
- Human String Content (HSC)
- AbLSTM
- MGスコア
- IgReconstruct
- Hu-mAb
筆者らの手法は、これらに比べて、
- Granularity:領域またはアミノ酸残基レベルで、ヒト由来性を予測可能か
- Interpretability:モデルの解釈性
- Diversity:モデルに使用されている参照配列数
の観点で、優れているということです。
ヒト化デザインツールであるSapiensでは、Transformerのアーキテクチャを利用して生成モデルが構築されています。Sapiensにおいては、ヒト化と、鋳型抗体がもつ抗原結合性の両方に対して、最適化されるように設計されていることが特徴です。
Sapiensを利用することで、既存のヒト化デザイン手法として代表的なHu-mAbに比べて高い成功率でヒト化ができると主張しています。
コメント