【AlphaFold】条件付き構造予測で、タンパク質の多状態構造をモデリング

論文タイトル

Conditioned Protein Structure Prediction

出典

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.09.24.559171v1

要旨

AlphaFold によるタンパク質構造予測を、条件付きで実行する手法 AFEX を開発。

解説など

AlphaFold で何らかの意図をもって条件付きの構造予測を試みる場合に良く用いられるのは、デフォルトのテンプレート構造を活用する方法や MSA に工夫を施す方法です。これらは経験的に得られた情報にもとづいて、構造予測精度を改善するために活用されます。

一方で、一般的に AlphaFold で生成される構造モデルは多様性は低いため、本来多状態を示すタンパク質であっても、特定の構造しか予測できないことがあります。従って動的な構造変化はMDシミュレーションに頼ることがほとんどです。

筆者らが開発した AFEXplorer (AFEX) は、タンパク質の特定の距離関係に、意図的に多様性を持たせることで、その局所構造を、多状態にわたってモデリングすることができる手法です。

具体的には、タンパク質の特定の原子間の距離を表現した変数(collective variable, CV) を定義して、CVに対する損失関数を指標にモデルを最適化することで、対象とした距離関係について多様性を示す複数のモデルを生成することができます。

筆者らは、

  • アデニル酸キナーゼ
  • (キナーゼ)DGFモチーフ
  • トランスポーター

について、その代替状態の生成ができることを示しています。

コードは、Github に公開されています。

GitHub - JingHuangLab/AFEXplorer
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