論文タイトル
Enhanced Protein-Protein Interaction Discovery via AlphaFold-Multimer
出典

Enhanced Protein-Protein Interaction Discovery via AlphaFold-Multimer
Accurately mapping protein-protein interactions (PPIs) is critical for elucidating cellular functions and has significant implications for health and disease. C...
要旨
AlphaFold-Multimer を利用して未知の相互作用ペアを探索するための評価指標 (LIS) を開発しています。
解説など
インタラクトームのインシリコ解析手法を紹介した論文です。具体的には AlphaFold-Multimer から算出される評価指標を活用して、相互作用ペアを探索する方法論になります。AlphaFold の出力には、pTM や pLDDT、PAEなどがありますが、筆者らは PAE を活用した Local interaction score (LIS) を、相互作用の検出に利用する評価指標として定義しています。
LIS の計算方法は次のとおりです。
- PAE は予測位置誤差を参照した値ですので、0を最大の値にとり、0に近づくほど参照構造とモデル構造のずれが小さくなります(信頼性が高い)。このPAEをいったん、値が1を最大値として値が大きくなるほど信頼性が高くなるよう変換します(inverse PAEと定義)。
- 次に、inverse PAE が 0 より大きい残基を Local Interaction Area (LIA) として定義します。
- LIA として定義された残基間の inverse PAE の平均値を算出します (= LIS)。
既知の相互作用データをベンチマークにして、この指標の信頼性を確認したところ、ipTM や pDOckQ などと比較して、予測精度が高いことが示されました。ipTM に比べて PAE は、その算出方法から変性領域や小さな相互作用界面における検出力が高く、それがこの成績に反映されていると筆者らは述べています。