論文タイトル
AlphaFastPPi: a fast AlphaFold-Multimer-based pipeline for high-throughput screening
出典

要旨
タンパク質間相互作用解析ペアを探索するパイプライン AlphaFastPPi を紹介した論文です。
解説など
本論文では、タンパク質間相互作用をハイスループットに探索する手法を紹介しています。筆者らが公開した”AlphaFastPPI”では、ベースに AlphaFold-Multimer を利用しており、一連の解析が高速かつ簡便に実行できるようにパイプラインスクリプトを公開しています。
解析の流れを具体的に説明すると、まず AlphaPulldown で予測対象の標的タンパク質に対する MSA や構造テンプレートを生成し、その後 AlphaFold-Multimer で相互作用モデルを生成する流れになります。時間効率を意識して生成するモデルはデフォルトの5つではなく1つのみです。解析モードには、pull-down モードと all-versus-all モードの2つが存在します。前者は特定のタンパク質をベイトとしてそれと相互作用するパートナーを探索するモード、後者はタンパク質群間の全組み合わせで相互作用ペアを探索するモードになります。
解析の最後に、相互作用の有無の判断のための評価指標として、以下の解析値が算出されます。
- pDockQ
- ipTM
- ipTM+pTM
- average plDDT
解析指標の中では、pDockQ が相互作用の有無を分類するための指標として適しているとのことで、pDockQ の閾値を 0.23 にすると、specificity は 70%、sensitivity は 24% になります。
本手法を活用すると通常の AlphaFold-Multimer に比べて、4.7 倍の速度でモデルを生成できます。
コードは python 記述され、github で公開されています。