論文タイトル
Direct cell reprogramming by a designed agonist inducing HER2-FGFR proximity
出典
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要旨
HER2とFGFRという自然界では結合しない受容体を人工的に近接させる「設計型アゴニスト(Novokine)」H2F を用いて、線維芽細胞を筋細胞へと直接転換(reprogramming)することに成功した報告です。
解説など
先日にも Novokine の論文を紹介しました。
以前の記事では、デノボ設計手法を活用して網羅的に受容体の組み合わせを探索することにフォーカスしていましたが、本記事で紹介する論文は HER2 と FGFR の組み合わせに注目し、その細胞運命制御の可否を詳細に検証しています。
バインダーモジュールは、RifGen から ProteinMPNN、AlphaFold を経るデザインプロセスで設計しています。モジュール間の連結はリンカーの長さやN/C順序を変えた組み合わせから最適な構成を探索しています。
バインダーとリンカーの間には、GGGSなどの構造柔軟性を確保する tail 領域が標準的に搭載されているのが Tips です。
[N末端] 受容体バインダーA – (tail) – [リンカー] – (tail) – 受容体バインダーB [C末端]
設計した人工 Novokine は、天然リガンドである FGF2 などと比べて、筋文化マーカー (Desmin)などを最も強く誘導することが示されています。通常の FGF2 が MAPK と PLCγ/Ca2+ シグナルの両方を活性化するのに対して、Novokine では MAPK のみを活性化するバイアスアゴニストであることが特徴です。



