【抗体デザイン】Latent Labs から最新のデノボデザインモデル Latent-X2が公開

論文タイトル

Drug-like antibodies with low immunogenicity in human panels designed with Latent-X2

出典

https://www.latentlabs.com/wp-content/uploads/2025/12/Latent-X2-Technical-Report.pdf

要旨

Latent-X2 という all-atom 生成モデル を用いて、抗体とマクロ環状ペプチドをゼロショットで設計し、実験的に実証した報告です。

解説など

Latent Labs から公開されたタンパク質生成モデルの Latent-X2 は Latent-X1 の最新モデルです。Latent-X2 の最大の特徴は、表現として binder と target を区別しない点にあります。常に両者が複合体として存在する潜在空間から、binder の構造座標と配列を同時にデコードするモデルです。生成したデザインは、Alphafold3 など複数のモデルを使用した ipTM などの confidence スコアや DockQ スコアでフィルタリングしているとのことです。

Latent-X1 からもともと all-atom 表現による条件付き生成モデルで、その基本的な設計思想は X2 でも変わっていませんが、X2 では新たに抗体の設計が可能となっています。

抗体生成の実績がレポートでは示されており、

  • 18ターゲット中9ターゲットで成功(50%)
  • 各ターゲットにつき 4–24配列のみ合成
  • KD:26 pM ~ 数百 nM

という結果です。本記事の最後に詳細リストを掲示します。

本論文では免疫原性の低いデザインを達成したことを強く主張しています。

評価系としては、PBMC を用いた ex vivo 試験で T細胞増殖とサイトカイン分泌を評価し、既存の承認VHHである caplacizumab と同等であることを確認しています。特別免疫原性を低減する生成時やスクリーニング時の工夫はないようです。

No.ターゲット疾患領域成功/失敗備考(最良KDなど)
11433BOncology✅ 成功VHH / scFv ともにヒット
21433ENeurology❌ 失敗実験ヒット報告なし
3HDAC8Oncology✅ 成功26.2 pM(scFv)
4MMP2Oncology✅ 成功VHH ヒット
5ONCMOncology✅ 成功VHH ヒット
6PD-L1Oncology❌ 失敗binding 確認されず
7SAE1Oncology❌ 失敗ヒットなし
8UBE2BOncology❌ 失敗ヒットなし
9CD98Oncology❌ 失敗ヒットなし
10TNFL9 (4-1BBL)Immuno-Oncology✅ 成功免疫原性評価まで実施
11IL-20Immunology❌ 失敗ヒットなし
12IL-3Hematology / Oncology❌ 失敗ヒットなし
13LEPMetabolic✅ 成功VHH ヒット
14PRLEndocrinology❌ 失敗ヒットなし
15SOMAEndocrinology❌ 失敗ヒットなし
16AHSPHematology❌ 失敗ヒットなし
17BHRF1Infectious / Oncology✅ 成功VHH ヒット
18SC2RBDInfectious Disease❌ 失敗ヒットなし