論文タイトル
Scaffolding protein functional sites using deep learning
出典
Science. 2022 Jul 22;377(6604):387-394.
NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic
確認したいこと
引き続き、Hallucinationを超える精度の高いタンパク質骨格デザイン手法を探しています。
要旨
機能モチーフがグラフティングされたスキャフォールドをデザインできる、深層学習手法を提案した論文です。
解説など
従来のタンパク質骨格デザイン手法では、目標となる主鎖構造を設定したうえで、それに適したアミノ酸配列を提案することが目的とでした。
本論文では、機能性モチーフが存在したときに、その機能を維持したままタンパク質の骨格をデザインすることに特化した手法が紹介されています。骨格構造は、モチーフの構造を保持する方向に最適化されるため、その構造自体を入力情報として設定する必要はなく、その意味で本手法は骨格構造とアミノ酸配列を同時に生成することができる方法になります。
本論文では、
- constrained hallucination
- inpainting
の2種類のデザイン手法が提案されています。
constrained hallucinationは、その特徴として、ネットワークをforward/backwork双方向に進むため、計算コストが大きいことが挙げられます。しかしモチーフがはまる欠損領域が大きいデザインに対して良好な結果を示す傾向にあります。
一方、inpaintingはデザインされる配列の多様性は制限されるものの、計算コストが少なくデザインしたタンパク質が高確率で機能することが特徴です。
- 様々な機能性タンパク質に対してウェットでの検証事例が存在すること
- Baker研の成果であり、バックボーンデザインのベンチマークであるhallucinationから純粋な次世代技術と呼べる方法であること
から、今からデノボデザインを試みるために良い選択肢となるのは間違いありません。
protein hallucinationとinpaintingのコードはこちらからアクセスできます。
GitHub - RosettaCommons/RFDesign: Protein hallucination and inpainting with RoseTTAFold
Protein hallucination and inpainting with RoseTTAFold - RosettaCommons/RFDesign
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