論文タイトル
Rationally seeded computational protein design
出典
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.08.25.554789v1
確認したいこと
タンパク質デザインの最新手法についてベンチマークしています。
要旨
ヘリックスバンドル構造から新たなヘリックスを接続することで、ヘリックスバレル構造を合理的にデザインする手法を提案しています。
解説など
筆者らは、ヘリックスバンドル(バレル)構造を生成する手法を提案しています。手法の概要としては、まず2つ以上のヘリックス型のペプチド構造を用意します。そして、
- ヘリックス対が逆並行であれば、それらを接続する短いループを設計
- ヘリックス対が平行であれば、それらに逆並行のヘリックスペプチドを含む長いループを設計
することを通じて、ヘリックスのアセンブルを行います。ここで、各ループや逆並行ヘリックスペプチドのデザインを、経験的な知見を利用して合理的にデザインするパイプラインを構築したのが、本研究のミソです。
逆並行のヘリックスデザインにおいては、コイルドコイルの古典的なデザイン手法を活用しています。7個のアミノ酸残基反復構造 (gabcdef) における g、a、d、e 部位はヘリックス-ヘリックス界面の結合に最も寄与していることが知られています。この部位の残基に多様性を持たせて複数デザインすることで、適切な逆並行ペプチド (apCC-Hex) をデザインしています。
また平行ヘリックス間のループ配列の設計においては、以下に示す3つのアプローチを検証しています。
- 文献とPDBからループ構造をサンプリング
- MASTERを適用して、ヘリックスを連結する3次フラグメントを探索
- ギャップを埋めるために Protein Inpainting を利用
これらのデザインから、sc-apCC をデザインしています。
近年の生成モデルを用いたタンパク質デザインに比べて、説明可能性の高い手法です。デノボデザインが可能なヘリックスバンドルの高機能化に一躍を買う技術として期待したいです。
追加調査したいこと
MASTER について。36, 37の引用論文を確認できればと思っています。
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