論文タイトル
Predicting Experimental Success in De Novo Binder Design: A Meta-Analysis of 3,766 Experimentally Characterised Binders
出典
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要旨
デノボタンパク質バインダー設計における「どの設計が実験的に成功するかを予測する指標」を大規模に解析した研究です。
解説など
デノボバインダー設計のインシリコ上での適切なスクリーニング指標を探索した論文です。本研究ではこれまでの複数の論文から公開されているデザインをレトロスペクティブに解析しています。
デザインの構造は、以下4種類のモデルで予測されています。
- AlphaFold2 initial guess (AF2-IG)
 - ColabFold
 - AlphaFold3 (AF3)
 - Boltz-1
 
また使用されている評価指標は、代表的なものは以下のとおりです。
- Model-based
- ipSAE
 - LIS
 
 - Rosetta-based
- rosetta_binder_score
 - rosetta_interface_sc
 - rosetta_interface_dG
 - rosetta_interface_dSASA
 - sap_binder
 - sap_target
 
 - Others
- CαRMSD
 - DockQ
 - SpatialPPI V2
 
 
結果として、AF2-IG は他の予測モデルとは異質な構造を生成すること、評価指標の中では ipSAE、LIS が良いことなどが示されました。
メトリクスの組み合わせまで考慮すると、次の組み合わせが効果的とのことです。
- ipSAE_min x interface_∆G/∆SASA
 - ipSAE_min x input_interface_shape_complementarity
 - LIS x input_∆SAP
 - DockQ x input_∆SAP
 
多数の評価指標を組み合わせた機械学習モデルの構築も試みていますが、汎化性まで考慮すると少数の指標の組み合わせが最も適しているという結果でした。最終的に選抜閾値を含めた基準として以下の条件を推奨しています。
- AF3 ipSAE_min > 0.61
 - AF3 ipSAE_min × interface_ΔG/ΔSASA < -1.5
 - AF3 LIS × shape complementarity > 0.42
 
公開されているデザイン配列は、AF2 initial guess の ipAE で事前にスクリーニングされていることが多いため、ipAE のスクリーニング効果は過小評価されている可能性は考慮する必要があります。

  
  
  
  