【抗体技術】抗体を使った On/Off センサ技術 Switchbody を紹介

論文タイトル

Switchbody, an Antigen-Responsive Enzyme Switch Based on Antibody and Its Working Principle

出典

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要旨

抗体可変部にトラップした HiBiT が抗原結合で解放され LgBiT と再会合する “Trap-and-Release” 機構を利用し、任意抗体を高感度な抗原応答型酵素スイッチへ変換する技術(Switchbody)を示した論文です。

解説など

Switchbody は、「抗体の可変領域近傍に、小型ルシフェラーゼ断片 HiBiT を融合させ、抗原結合を契機に HiBiT を“解放”させて発光させる」という新しいタイプの酵素スイッチです。

反応機序は次のとおりです。

  1. Trap:抗原が無いとき、HiBiT は抗体の CDR 付近に物理的に「トラップ(拘束)」される
  1. Release:抗原が結合すると HiBiT の拘束がほどけ、溶液中の LgBiT と結合
  2. Reconstitution:HiBiT–LgBiT が再会合し NanoLuc が形成、発光が増加する

これにより、1本の抗体のみで抗原依存的に酵素活性を ON にすることに初めて成功しました。

抗体を活用することで任意の標的を inducer に利用できる可能性があるのと、Split Fv のように2分子の抗体ドメインを活用する必要がない点が本技術の特徴です。

Switchbodyは、もともと広範の抗体可変領域がHiBiTと相互作用できることが偶然明らかになったことから開発されました。したがって、HiBiTに基づく限りその可変領域や融合するリンカー長を最適化するだけで、大規模なライブラリスクリーニングを必要とせずに機能させることができます。実際に複数の独立した IgG を Switchbody に実装して、期待通りに機能することを確認しています。