【Closed Loops】タンパク質のドメイン階層と閉鎖ループをアサインする解析ツール

論文タイトル

Domain Hierarchy and closed Loops (DHcL): a server for exploring hierarchy of protein domain structure

出典

Nucleic Acids Res. 2008 Jul 1;36(Web Server issue):W239-45.

Domain Hierarchy and closed Loops (DHcL): a server for exploring hierarchy of protein domain structure - PubMed
Domain hierarchy and closed loops (DHcL) ( is a web server that delineates energy hierarchy of protein domain structure and detects domains at different levels ...

確認したいこと

closed loopへの理解を深めるため、引用文献を確認しました。

要旨

標的タンパク質のドメイン階層や、閉鎖ループを識別するウェブサーバについて紹介されています。

用語

  • DHcL: Domain Hierarchy and closed Loops

解説など

サーバーのurlは切れていて、現在はアクセスできないようです。ここでは解析手法のコンセプトについて紹介します。本論文で紹介されている解析ツールは、タンパク質の以下の要素について解析することができます。

  • ドメイン階層:ドメイン分類
  • 閉鎖ループ:25-30残基程度のタンパク質に高頻度に出現するループ状の部分構造
  • van der Waals ロック:van der Waals相互作用が強く働く、3-5残基長のセグメントペア

以下に、それぞれの具体的な解析手順を紹介します。

まず、ドメイン階層は次の手順で解析されます。

  1. 少なくとも2残基離れたアミノ酸に対する、van der Waals 相互作用エネルギーを計算する
  2. エネルギー障壁の大きさでドメインを分類する

タンパク質に存在する閉鎖ループは、5段階のステップで識別されます。

  1. 15-45残基離れたすべての残基対について、Cα-Cα距離を測定する
  2. Cα-Cα距離が2.5-12Å内にある軌道を列挙する
  3. 閉鎖ループをマッピングする
  4. 周囲のリンカー領域を含めた大きいループ(39残基以上)の存在について検討する
  5. 末端ループを調整する

最後にvan der Waals ロックは以下のとおりです。

  1. 2.5-5Å以内に位置するvan der Waals 相互作用エネルギーを計算する
  2. 1残基あたり、最低100個以上のコンタクトをもつ残基を抽出する
  3. 連続した3-5残基のセグメントを抽出する
  4. ロックの残基長は、セグメントペアあたりの最大平均接触数に応じて選択される

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