【AlphaFold】深層学習によるタンパク質構造予測手法を利用した分子デザイン

論文タイトル

Using AlphaFold for Rapid and Accurate Fixed Backbone Protein Design

出典

Handle Redirect

確認したいこと

  • AlphaFoldを用いたタンパク質のデザイン手法

要旨

AlphaFoldを利用したタンパク質デザイン手法について紹介しています。

解説など

これまで本ブログでも、数々のタンパク質デザインの手法について紹介してきました。

本論文は、深層学習を利用したタンパク質デザイン手法になります。

この分野における主要な検討の方向性は、その目的から以下の4種類に分類されます。

  • Fixed backbone design
  • Antibody design
  • De novo design
  • Stability prediction

今回紹介する論文は、このなかでもFixed backbone designにあたるものです。これは、特定のタンパク質構造のバックボーンを標的として、その骨格構造に類似するタンパク質をデザインする手法です。モデルが生成する配列が、標的の骨格構造に制限されます。

本手法では、まずAutoregressive Transformerで生成モデルから多様なアミノ酸配列を生成します。生成された各配列はAlphafoldを利用して構造情報へと変換されます。つぎに各配列から予測された構造は、Alphafold自身の予測頻度と、標的構造との差異をもとにスコア化されます。この生成と評価のサイクルが繰り返されて、最適な配列がデザインされる流れになります。

本手法をTop7(PDBID:lQYS)の骨格構造に対して適応したところ、オリジナル配列と27%の相動性がある配列がデザインされました。この配列をAlphafoldで予測した構造は、Top7から0.736ÅのCα-RMSDを示したとのことです。pLDDTスコアは91を示したとのことで、Alphafold予測自体の信頼性も高いと考えられます。

本手法は、トレーニングセットに標的構造データが存在しない他3種類のタンパク質(Peak6、Foldit1、Ferredog-Diesel)に対しても適応され、成績が紹介されています。

デザインのiterationは2000回までを目途に主鎖構造が決定され、それ以降は、わずかな改善を積み重ねている様子です。

本研究の結果から、バックボーンデザインは実用に足る精度で実現可能であると感じました。

コメント