【de novo design】タンパク質の主鎖原子構造に着目した「van der Mer」を利用して、低分子に結合するタンパク質をデザイン

論文タイトル

A defined structural unit enables de novo design of small-molecule-binding proteins

出典

Science. 2020 Sep 4;369(6508):1227-1233.

A defined structural unit enables de novo design of small-molecule-binding proteins - PubMed
The de novo design of proteins that bind highly functionalized small molecules represents a great challenge. To enable computational design of binders, we devel...

確認したいこと

以前に紹介した記事の論文で引用されていて気になったので、調べてみました。

要旨

タンパク質の主鎖原子構造に着目した「van der Mer」を利用して、「低分子」に結合するタンパク質をde novoデザインした論文です。

解説など

はじめに

既往のde novoデザイン手法は、無極性側鎖をタンパク質のコアに集積させるために最適化されたアルゴリズムを用いることが多いので、親水性分子との結合に必要な極性基を、分子表面に設計することが難しいことが知られています。

従って、非アミノ酸の低分子に結合するタンパク質をデザインすることは、一般的にハードルが高いと考えられています。

vdmとは

本論文では、「van der Mer(vdM)」という非常に小さい構造単位を定義して、標的分子に適したvdMを探索することで、結合タンパク質をデザインすることを試みています。

一般的なタンパク質デザインでは、rotamer(アミノ酸側鎖の配向制約)を、ライブラリとして多数用意して、そこから標的分子に結合するために適したrotamerを探索します。

これに対してvdmは、標的分子と相互作用するタンパク質主鎖原子を中心に、定義された構造単位になります。このコンセプトを元に定義されたvdmを、PDBに登録されたタンパク質の中から探索・分類してvdmのライブラリを用意しました。また、標的リガンドとの結合に適したvdmを探索するアルゴリズム「Convergent Motifs for Binding Sites(COMBS)」を開発して、デザインに利用しています。

実施例

原著では、標的とする低分子として、分子量460g/molのアピキサバンを選択しています。また、vdMをグラフトしてアピキサバンに結合するデザインタンパク質の骨格として、4つのヘリックスからなるバンドル構造を採用しています。

本手法をもとに、長さやトポロジーなどの観点で多様な6つのタンパク質をデザインしたところ、うち2つはNMRの結果から、アピキサバンと結合することが示されました。

このタンパク質を結晶化し構造を解析してみると、デザインした構造と非常に類似していたとのことです。

本手法は、hotspot centricなデザイン手法に、さらなる多様性をもたらした手法といえるでしょう。

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