【de novo design】タンパク質デザインを学習するための、学部生向け教材を紹介!

論文タイトル

Increasing computational protein design literacy through cohort-based learning for undergraduate students

出典

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.05.24.493341v1.full

確認したいこと

タンパク質デザインについての論文をあさっていたところ、学部生向けの学習カリキュラムが紹介されたレポートを見つけたので、スキルアップに役立つ情報があるか調べてみました。

要旨

タンパク質デザインについて、リモートで学習できるカリキュラムを作成して紹介した論文です。

用語

STEM: science, technology, engineering and mathmatics

解説など

背景

COVID-19のパンデミック下でも、学習を継続できるリモートプログラムは有用です。プロテインデザインは、バイオインフォマティクス関連のソフトウェアを活用したドライな研究が中心ですので、リモートの弊害は少ない分野かもしれません。

本論文では、ワシントン大学が作成したタンパク質デザインカリキュラムを紹介しています。そのプログラムの名は、JUPITER(Jobs for Undergraduates in Pandemic Times Emergency Response)です。

カリキュラム概要

JUPITERプログラムは以下の2つのフェーズで設計されています。

  • タンパク質デザイン関連の理論学習
  • 開発・実装を伴うタンパク質デザイン研究

第1フェーズは以下のアジェンダで進んでいきます。

  • 文献の読み方 (Week1)
  • タンパク質の可視化・設計ソフトウェアの使用方法 (Week2-3)
  • Rosettaソフトウェアの使用方法 (Week4-8)
  • 科学的なコミュニケーション方法 (Week9)

第2フェーズでは、対象のタンパク質の活性に影響を与える因子を予測して、実際にタンパク質をデザインすることが課題となります。解析の過程で独自のデータセットを生成して、データ分析パイプラインを作成し、最後にその成果を発表します。

従来の学部生は、最初の半年間は研究所の組織について学び、見習いとして研究室のサポートするのが通例です。残りの半年で独立した研究プロジェクトを実施する機会が与えられます。

このような従来的な方法に比べ、本論文で紹介されたプログラムはメンターのリソースを削減できることから、効率的に運用することが可能です。ポストコロナの学習体制としても、役立つことでしょう。また学習教材が公開されれば、世界中でコンテンツを利用可能です。以下のurlから、jupyter notebookやパワーポイントで作成された教材を入手できます。

https://files.ipd.uw.edu/pub/JUPITER/JUPITER.tar.gz.

コマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行するとファイルを解凍することができます。

tar -zxvf JUPITER.tar.gz

バリバリ活躍されている方には、物足りない内容かもしれませんが、初学者にとっては、どのような手順で学習を進めればよいのか、レールが示されている点が良いと思いました。

コメント