【de novoデザイン】MaSIFを使ったバインダーデザイン手法を紹介

論文タイトル

De novo design of site-specific protein interactions with learned surface fingerprints

出典

De novo design of site-specific protein interactions with learned surface fingerprints
Physical interactions between proteins are essential for most biological processes governing life. However, the molecular determinants of such interactions have...

確認したいこと

深層学習手法を活用したバインダーデザイン手法を調査しています。

以下のレターブログでも、紹介されていましたので、詳細について確認しました。

https://www.getrevue.co/profile/blacktanktop/issues/weekly-life-science-informatics-news-issue-40-1219544

要旨

タンパク質間相互作用のデノボデザイン手法、MaSIF-seedを提案した論文です。

解説など

以前のブログで、本手法の源流となるMaSIFについて紹介しました。

今回の論文は、このMaSIFをバインダーデザインに応用しています。キーとなるメソッドは以下の3つです。

  • MaSIF-site:標的抗原タンパク質で埋没された有望エピトープ領域を同定
  • MaSIF-seed:標的領域に結合する構造モチーフを探索
  • Scafold search:デザインした構造モチーフを保持するスキャフォールドを探索

これらを組み合わせることで、標的抗原に結合するタンパク質をデザインすることが可能になります。

ベンチマーク手法である、Zdock+ZRankを用いた手法と比較して、約200倍の速度で分子デザインが可能とのことです。

従来の手法ですと、深いポケットを欠く平坦なタンパク質表面領域をエピトープとするのは難しいことが知られています。本手法ではエピトープとして有望な表面領域を、MaSIF-siteを用いて選抜することで解決できます。また、PD-L1の例をみると、選抜されたエピトープは天然リガンド(PD-1)と同じフラットな構造であり、そこからバインダーをデザインできていることから、フラットエピトープに対するインターフェースデザインも、ケースによっては可能なようです。

本手法を用いて、SARS-CoV-2スパイクタンパク質、PD-1、PD-L1の3つのタンパク質に対してデザインを試みています。いずれも低親和性の分子をデザインすることに成功しています。高親和性の分子をデザインするには、部位突然変異など既往の親和性増強技術が必要とのことです。

コードはこちらです。

GitHub - LPDI-EPFL/masif_seed: Masif seed paper repository
Masif seed paper repository. Contribute to LPDI-EPFL/masif_seed development by creating an account on GitHub.

実際にインストラクションの通りに検証してみると、run.shを実行した際にエラーが出て解析が停止してしまいました。使用できた方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをいただけますと幸いです。

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