論文タイトル
Macromolecular modeling and design in Rosetta: recent methods and frameworks
出典
Nat Methods. 2020 Jul;17(7):665-680. doi: 10.1038/s41592-020-0848-2.

確認したいこと
Rosettaの使い方を学習できるコンテンツを作成しました。引き続きコンテンツを拡充するために学習中です。
要旨
Rosettaに実装されたツールを目的ごとにまとめたレビュー論文です。
章立て
- 緒言
 - 概要と課題
 - Rosettaのスコア関数
 - 主要なアプリケーション
- タンパク質の構造予測
 - タンパク質間相互作用のモデリング
 - 小分子リガンドとタンパク質のドッキング
 - 抗体など免疫関連タンパク質の、モデリングとデザイン
 - 新規タンパク質と機能のデザイン
 - タンパク質とその相互作用パートナー間の結合界面をデザイン
 - パラメトリックデザインによる、対称型タンパク質のアセンブルモデリング
 - ペプチドのモデリング
 - 実験データのモデリングへの活用
 - 核酸と核酸結合タンパク質のモデリング
 - 膜タンパク質のモデリング
 - モデリング過程における糖鎖の付与
 
 - ユーザーインターフェース
 - 結言
 
解説など
Rosettaには、構造予測・ドッキング・デザインなど多岐にわたる用途に対して、解決できるツールが実装されています。論文公開時期(2020年)を基準にすると、過去5年間で80以上のツールが開発されているとのことです。本論文では、タンパク質の構造分析の各用途について、Rosettaで活用できるツールを整理しています。また既存のツールの課題(例えば、既存のエネルギースコアでは、〇〇は考慮できていない、など)についても言及があります。
中途半端にデザインアルゴリズムや物理モデルに踏み込んでも、結局原著を追わないと理解できないことが多いので、レビューとしてまとめる粒度としては、非常に適切に感じました。詳細は、各トピックで引用されている文献を追っていくことで理解が進むと思います。具体的なトピックは、「章立て」をご参照ください。
一方で、これだけツールが多岐にわたると、類似用途のツールの使い分けに関する理解はいまだ難しいように思います。構造予測一つをとっても、どのようなファミリータンパクを対象にするか、参照構造が存在するか、など複数の観点から選択する必要があります。またアルゴリズムが全く異なるツール間では、実績(予測精度の評価結果)ベースで判断する必要もありそうです。もし需要があれば、一度チートシートみたいなものを作ってみても良いかと思っています。

  
  
  
  
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