論文タイトル
De novo design of high-affinity protein binders to bioactive helical peptides
出典

確認したいこと
深層学習を用いたバインダーデザイン手法をベンチマークしています。
要旨
生理活性ペプチドに対するバインダーを、デノボでデザインした手法を紹介しています。
解説など
David Baker研からのレポートです。この論文では、αヘリックス構造を有する生理活性ペプチドに対するバインダーのデノボデザイン手法を報告しています。筆者らはこの目的を達成するために、以下の複数の手法をバインダーデザインに適用しています。
- parametric design
- RF joint
- hallucination
- RF diffusion
第一のパラメトリックデザインにおいて、デザインするバインダーのスキャフォールドは、ヘリックスバンドル構造を選択しています。これはバンドル構造に、αヘリックスに適合する溝を形成することができるためです。この溝を形成するため、Crickパラメタリゼーション法を用いて、スキャフォールドライブラリからサンプリングを行いました。この手法でデザインされたバインダーはμMオーダーの親和性を有していたとのことです。
次に、筆者らはパラメトリックデザインで生成されたバインダーをRF jointに適用しました。RF jointは望むインターフェースモチーフに適合するスキャフォールドをRosettaFoldで生成することができる手法です。
生成されたバインダーはnMオーダーの親和性を示したと報告しています。
hallucinationやRF diffusionでは、スキャフォールドの構造に対して事前に制約を与えず、インターフェースモチーフから適切な足場の探索を試みています。親和性程度の成績ではやはりdiffusionの方が優れた成績を示しており、500pMの親和性をもつ分子を同定できたとのことです。
生成された構造はいずれもパラメトリックデザインで設計した構造と類似する結合様式で生理活性ペプチドと結合しており、親和性の強さは、接触面積が大きくなったことに起因する形状相補性の高さであるといいます。
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