【タンパク質デザイン】遺伝子編集にも深層学習を適用!ZFDesignとは

論文タイトル

A universal deep-learning model for zinc finger design enables transcription factor reprogramming

出典

Nat Biotechnol. 2023 Jan 26. doi: 10.1038/s41587-022-01624-4.

A universal deep-learning model for zinc finger design enables transcription factor reprogramming - PubMed
Cys2His2 zinc finger (ZF) domains engineered to bind specific target sequences in the genome provide an effective strategy for programmable regulation of gene e...

確認したいこと

深層学習を利用した、タンパク質デザインの最新知見をベンチマークしています。

要旨

任意のDNAに結合できるジンクフィンガー (ZF) ドメインを、深層学習モデルでデザインする手法ZFDesignについて報告した論文です。

解説など

CRISPR-CasやTALEは、遺伝子編集において代表的で技術で医工学に広く応用されています。これらの技術の課題としては、分子を生体内で標的の組織に送達することを考えるとタンパク質のサイズが大きいことや、それに伴ってウイルスによる遺伝子導入を利用する必要があること、またCas9に対する免疫原性の問題などが挙げられます。

ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)も遺伝編集技術に用いられる分子です。ZFドメインは、170未満のアミノ酸残基で構成される分子であり、上記の点において有利であることが特徴です。一方で、特定のDNAに対する結合性を付与するためにタンパク質ベースのドメインを設計しなければならず、そのスクリーニングに多大な労力がかかることが課題でした。

筆者らは、深層学習モデルを利用して、望みのDNA配列に結合できるZFドメインをインシリコでスクリーニングする手法を開発しています。

ZFは隣接する6アミノ酸残基で一つのドメインを形成し、ドメイン一つがDNAの3塩基を認識します。一方でドメインの末端のアミノ酸残基は、隣のドメインが認識するDNAへの指向性に影響を与えることも知られています。

そこで筆者らは、

  • ZFドメインをライブラリ化し、独立した1つのZFドメインが認識するDNAパターンを探索
  • 2つのZFドメイン間の隣接したアミノ酸に焦点を当てて、DNAの認識パターンの変化を探索

という2つのアプローチで、ZFドメインと認識するDNAパターンとの関係性を示すリッチなデータを取得しました。そして、これらのデータをもとに、任意のDNAに結合できるZFドメインをデザインするための深層学習モデルZFDesignを構築しています。

ZFDesignのコードは、アカデミア研究限定で使用することができ、利用にあたっては著者に連絡が必要とのことです。

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