【抗体デザイン】Dock&Optimizeで、ゼロからIL-17Aに結合する抗体をデザインする手法

論文タイトル

Computational Design of Epitope-Specific Functional Antibodies

出典

Cell Rep. 2018 Nov 20;25(8):2121-2131.e5.

NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic

確認したいこと

タンパク質のバインダーデザインについてベンチマークしました。

要旨

Dock and Optimize アプローチを採用した抗体のデノボデザイン手法を紹介した論文です。

解説など

本論文では抗体の de novo デザイン事例を紹介しています。手法は Dock and Optimize に分類されるアプローチを採用しています。PDB に登録された 501 の抗体構造から、標的抗原と形状相補性の高い構造を探索し、その抗体を鋳型に有望な変異を計算機上で探索します。最終的には、変異導入ライブラリの形で遺伝子ライブラリを調製し、酵母ディスプレイでウェットスクリーニングする流れです。

鋳型抗体の選抜に用いられるドッキングシミュレーションには、ZDOCK 及び、Hexが使われています。

変異導入ライブラリのデザインには、STAR法と呼ばれるアルゴリズムが採用されています。STAR法の詳細はMETHOD DETAILSに記載されています。ライブラリーデザイン過程では、抗原に近接しているパラトープ残基を対象に、変異バリアントの結合エネルギーを計算しながら、コンタクトに強く関与する残基を探索しています。めぼしい変異についてはMD simulationでモデリングして、その構造妥当性を評価しながら、ライブラリをデザインしています。

筆者らは、この手法をIL-17Aに対する機能性抗体の設計に適用しています。上記のアプローチのとおりデザインを進めていますが、STAR法適用前のドッキングモデルにおける鋳型抗体時点では、IL-17Aに対する結合性はありませんでした。つまり Optimize ステップによる側鎖設計によって、結合界面を精緻化できていると考えられます。

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