【抗体デザイン】デノボで抗HER2抗体をデザイン!

論文タイトル

Unlocking de novo antibody design with generative artificial intelligence

出典

Unlocking de novo antibody design with generative artificial intelligence
Generative AI has the potential to redefine the process of therapeutic antibody discovery. In this report, we describe and validate deep generative models for t...

要旨

抗HER2抗体をデノボデザインした実施例です。

解説など

Absciからの抗体デノボデザイン実施例についての報告です。先日は、彼らが報告したIgDesignという手法について紹介しました。

本論文では、IgDesignを抗HER2抗体スクリーニングに適用した実施例を紹介しています。本文中ではIgDesignという名称こそ用いていませんが、この方法を利用して抗原種を開示した形で適応事例を紹介した初めての報告になります。

手法の詳細は、過去の記事に譲りますが、MaskedDesignと呼ぶ構造設計モデルと、IgMPNNと呼ぶ配列設計モデルを活用して、抗体をデノボで設計します。生成するHCDRsもしくは、H3のみです。配列のサンプリングのため、天然抗体配列の出現頻度に基づいて、H3は9-17残基、H1, H2は8残基の配列を抽出してウェットの評価に進めています。結果として、ヒットレートは、HCDR3設計で10.6%、HCDR123設計で1.8%とのことです。OASからサンプリングした配列に比べて、それぞれ4倍および11倍高いヒットレートであったとのことですが、むしろOASからサンプリングした配列にそこまでのヒットレートはないはずなので、ある程度擬陽性を含むスクリーニング系である可能性が高いと思います。

またIgMPNNの尤度はヒットレートと相関があるとのことで、配列設計が配列の優先順位付けに強く効いていることが示唆されます。