論文タイトル
The Patent and Literature Antibody Database (PLAbDab): an evolving reference set of functionally diverse, literature-annotated antibody sequences and structures
出典
要旨
特許や文献から検索できる抗体クローンの情報を格納したデータベース、PLAbDab を公開した論文です。
解説など
SAbDAb や ANARCI、ImmuneBuilder などの抗体用途のインフォマティクス基盤を開発している OPIG が新しい抗体データベースを構築したことを報告しています。彼らが公開した PLAbDab は特許や文献から検索できる抗体クローンの情報を格納したデータベースです。そのVH/VLのアミノ酸配列だけでなく、標的抗原のなど関連情報がラベルされています。総計で150,000のペア抗体配列がエントリーされたDBです。毎年 10,000~30,000種の配列が新しく登録されています。3/4は特許由来のデータで、20%以下の割合で学術論文由来です。
PLAbDabでは、配列・構造・キーワードでエントリを検索することができます。
筆者らは、この論文の中で PLAbDab を使った抗体配列の検索事例を紹介しています。4種類の鋳型抗体に対して、以下の指標で検索をかけたときに、鋳型抗体と同じ標的抗原でラベルされたクローンが検索できるかを検証しました。
- VH identity (>90%)
- VH+VL identity(>90%)
- CDR structure (Cα RMSD <1.25Å)
- CDR structure + identity(sequence identity >90%, Cα RMSD <1.25Å)
鋳型配列の種類によっては、配列や構造のみからでは、鋳型と異なる標的抗原の抗体クローンが一定割合含まれるのですが、その両者を組み合わせることで確実に同標的のバインダーを検索できることが示されています。抗体の抗原結合機能には、CDRの主鎖・側鎖両方の寄与が重要であることが示唆されます。
データベースは以下から利用することができます。
- Web:https://opig.stats.ox.ac.uk/webapps/plabdab/
- Github:https://github.com/oxpig/PLAbDab