論文タイトル
computational design of a PAK1 binding protein
出典
J Mol Biol. 2010 Jul 9;400(2):257-70.

Computational design of a PAK1 binding protein - PubMed
We describe a computational protocol, called DDMI, for redesigning scaffold proteins to bind to a specified region on a target protein. The DDMI protocol is imp...
確認したいこと
タンパク質ベースのバインダーデザインについて、深層学習以前の手法開発の歴史をさかのぼって調査しています。
要旨
インシリコバインダーデザインプロトコル、DDMIについての報告です。
解説など
バインダーデザインの最初期の報告です。以下のレビュー論文で、Dock&Optimizeによるデザイン事例として紹介されていました。
筆者らはDDMIと呼ばれる計算プロトコルを提案して、バインダーの設計を試みています。これは、Rosettaのモデリングプログラム内で実行可能な手法です。
以下の2つの入力情報をもとに標的抗原に対するバインダーをデザインします。
- スキャフォールドと標的タンパク質のPDBファイル
- デザインタンパク質に対する制約条件
デザイン手順は下記のとおりですす。
- 足場タンパク質の位置と方向をランダム化
- 標的抗原とスキャフォールドの剛体ドッキング
- 配列設計(数万~数十万軌道)
- アミノ酸側鎖のシミュレーテッドアニーリングとロータマー表現を利用
- 勾配ベース最小化
- ねじれ角や配向自由度に対する勾配ベースの最小化
筆者らは本手法を用いてp21活性化キナーゼ1(PAK1)に対するバインダーをデザインしています。スキャフォールドのテンプレートには、HYPというPDBに登録された小さいサイズのヘリカルバンドルタンパク質を利用しています。このテンプレートから、ドッキング構造を発散させて、適切な複合体モデルに対して、配列設計する流れになります。
最終的に最も強いバインダーをSpider Rollと命名しています。これは100uMの親和性でPAK1と結合することができるとのことです。
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