【バインダーデザイン】RifDock で TLR3 バインダーをデザイン

論文タイトル

De novo design of protein minibinder agonists of TLR3

出典

De novo design of protein minibinder agonists of TLR3
Toll-like Receptor 3 (TLR3) is a pattern recognition receptor that initiates antiviral immune responses upon binding double-stranded RNA (dsRNA). Several nuclei...

要旨

TLR3 に対するデノボバインダーデザインを実施した事例を紹介しています。

解説など

デノボスキャフォールドのバインダーデザインに関する実施例です。

本論文では、TLR3 というタンパク質に対するバインダーをデザインしています。

デザインアプローチは、RifDock パイプラインを活用した手法です。具体的には、以下のプロセスを実行しています。

  • TLR3 から疎水パッチを含むエピトープを2か所選定(Site A, Site B)
  • RifGenでバインダーの主鎖構造を生成して、選定エピトープにドッキング
  • Rosetta FastDesign で配列設計
  • 以下の指標でインシリコスクリーニング
    • ddG
    • 疎水性残基への接触
    • SAP

計23,789デザインを選抜し、酵母ディスプレイでウェットスクリーニングに進めています。ディスプレイスクリーニングから得られたバインダーは 11 種で、すべて Site A エピトープ由来とのことです(Site B は糖鎖修飾部位の近傍であったためデザインしづらかった可能性がある)。11個中6個は精製タンパクとしても結合活性を示しており、43~1,500 nM の親和性を示したそうです。

デザインプロセスに独自性は認められませんでしたが、実施例が増えることで、手法の汎用性に期待がもてるレポートです。