【抗体デザイン】Nabla bio の最新抗体生成モデル JAM-2 の性能を紹介

論文タイトル

JAM-2: Fully computational design of drug-like antibodies with high success rates

出典

https://nabla-public.s3.us-east-1.amazonaws.com/2025_Nabla_JAM2.pdf

要旨

本論文は、JAM-2 という Nabla Bio の抗体生成モデルが、従来の de novo 抗体設計では到達できなかった基準を満たすことを実証した報告です。

解説など

JAMは Nabla Bio が開発する抗体設計モデルです。既報のモデルは以下のとおりです。

JAM-1 (2024–2025初)

  • ESM2/ESM-IF の系譜
  • Antibody LLM(AbLang2, IgLM など)と似たコンセプト
  • ターゲット条件付けは限定的

JAM-GPCR (2025/01, bioRxiv)

  • GPCR を対象にした構造 × 配列のハイブリッド
  • “scaling test-time compute”
  • LLM だが内部に structure module の guidance を持つ

今回新たに報告されたJAM-2は、JAM-GPCR の拡張版に位置づけられると考えられます。

そのアーキテクチャの詳細は開示されていませんが、おそらく、

“LLM 主体の抗体生成モデル + 3D 条件付け(構造 encoder / diffusion-guidance)”

から構成されていると考えられます。

LLM主体というのは、大きな特徴で、JAM-2 は RFDiffusion のように構造は出力せず、可変領域の配列のみ生成します。しかしエピトープの指定では、空間的なパッチ情報を必要としますので、構造モジュールが内蔵され3D 情報で条件付けが可能であると考えられます。

JAM-2 の性能は、以下に要約されます。

  1. ゼロショットで高親和性(pM–nM)抗体を生成
  2. 完全に未学習の16ターゲットすべてでヒット(VHH-Fc 39%、mAb 18%)
  3. エピトープを指定して 20 箇所 × 10 ターゲットの“系統的なエピトープ探索”に成功
  4. GPCR(CXCR4/CXCR7)を“細胞膜上のネイティブ構造”に対して直接 de novo でデザイン
  5. ヒットの過半数が製薬企業の developability 基準を満たす
  6. わずか 45 デザイン/フォーマットで薬剤候補レベルに到達

Chai-2 と同様に、ワンプレートでヒットが得られる成績ですが、本文では Chai-2 で失敗したターゲットで成功したことを示し、JAM-2 が SOTA 法であると主張しています。