論文タイトル
IgGM2: An All-Atom Foundation Model for Adaptive Immune Receptor Design
出典
要旨
本研究では、抗体・ナノボディ・T細胞受容体(TCR)の構造予測と、標的に応じたCDR(相補性決定領域)の配列・構造設計を統一的に扱う生成モデル「IgGM2」を提案しています。
解説など
IgGM2は抗体設計モデルです。過去の記事で前モデルであるIgGMについて解説しています。
IgGM2は「Structure-to-Design(構造予測を設計へ活用する)」という考え方を採用しています。
まず、IgGM2-Pというモデルで
- 抗体
- ナノボディ
- TCR
が標的(抗原やpMHC)の周囲にどのように配置されるかを学習します。
その後、この構造情報を利用してIgGM2-DがCDR設計を行います。
新規バージョンであるIgGM2では、全原子を考慮した生成が可能になり、また対象モダリティも抗体だけではなく、ナノボディやTCRまで拡張されました。
さらに近年の一部モデルでは、残基を表現するために「仮想原子(Virtual Atom)」を利用していますが、本研究では配列予測を明示的に行い、atom14表現は固定長の原子表現としてのみ利用しています。
論文では、この設計により仮想原子を残基表現として利用する場合より、生化学的に自然な扱いができると説明されています。
論文では以下の結果が報告されています。
構造予測
FoldBenchでは、
IgGM2-Pは受容体と標的との空間配置をより適切に予測できたと報告されています。
論文中では、FoldBench抗体–抗原予測において、IgGM2-P(epitope条件付き)はMean DockQ 0.60、Success Rate 73.8%を示し、比較対象として掲載されたAlphaFold3(Mean DockQ 0.36、Success Rate 47.9%)より高い値が報告されています。
TCR-pMHC予測
TCRとpMHC複合体の構造予測でも高い性能を示したと本文に記載されています。
CDR設計
CDR配列設計では、
- アミノ酸回復率(Amino Acid Recovery)
- Rosettaによる界面評価指標
- IMP(Interface Metrics Passing rate)
- dG(separeted)
で競争力のある性能を示し、より望ましい結合界面が生成された可能性が示されています。本文ではそのように報告されています。


