【抗体デザイン】深層学習を活用したH3ループデザイン手法の原理

論文タイトル

Geometric potentials from deep learning improve prediction of CDR H3 loop structures

出典

Bioinformatics. 2020 Jul 1;36(Suppl_1):i268-i275.

NCBI - WWW Error Blocked Diagnostic

確認したいこと

  • 抗体分子のH3ループデザイン手法

要旨

深層学習を活用して、抗体H3ループの構造をモデリングする技術であるDeepH3が提案されています。

解説など

本研究は、抗体のH3ループにおける構造モデリングに特化した解析基盤、DeepH3の紹介となります。デザイン用途のツールではありません。

本研究におけるベンチマーク技術として、以下の手法が挙げられています。

  • SBROD: 残基間相互作用、主鎖原子相互作用、水素結合、溶媒間相互作用を考慮された単ーモデルの評価関数。リッジ回帰によって訓練される。
  • KORP: 6つの幾何学的なパラメータから構築された、知識ベースの評価関数。
  • Rosetta

DeepH3の特徴の1つ目は、H3予測に特化していることです。上記のベンチマーク技術はあらゆるタンパク質に対して汎用的に適用するため、マルチプルアライメントを必要としますが、DeepH3では必須でありません。

特徴の2つ目として、DeepH3においては、対象領域内の残基ペアにおける、距離と配向角の確立分布として、構造を予測しています。

特徴の3つ目は、深層学習の活用です。

実際にベンチマーク技術と比較して、DeepH3で予測されたベストスコアの構造は高い精度を示していたとのことです。具体的には、以下の特徴が示されています。

  • 予測するループ長が長くなっても、予測精度が変化しない
  • 配向角の特徴量は、残基間距離に比べて効果的に予測精度に寄与する

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