【AlphaFold】De novo binder designも可能!? AlphaFold応用事例紹介

論文タイトル

AlphaDesign: A de novo protein design framework based on AlphaFold

出典

Handle Redirect

確認したいこと

  • AlphaFoldによるタンパク質デザイン実施例

要旨

AlphaFoldを用いたタンパク質デザイン事例です。

解説など

先日の論文に引き続き、AlphaFoldを用いたタンパク質デザインの報告です。

EMBLからの成果になります。

本研究では非常に多岐にわたる課題に対してin silico design手法を適応しています。具体的には以下のとおりです。

  • 単量体タンパク質のデザイン
  • 二量体タンパク質のデザイン
  • ホモ多量体タンパク質のデザイン
  • 標的タンパク質に対する結合タンパク質のデザイン

解析の手順ですが、生成モデルでサンプリングされたアミノ酸配列に対して、AlphaFoldでタンパク質構造を予測します。そして、各問題に対する評価指標に従って、選抜・最適化を繰り返す流れです。

評価指標は大きく、

  • AlphaFoldの信頼度
  • タンパク質骨格形状

の2つに分類されます。

さらにAlphaFoldの信頼度は、

  • predicted local distance difference test (pLDDT): 3次元構造モデルに基づく
  • predicted aligned error (pAE): アミノ酸配列に基づく

の2つが利用されます。

結合タンパク質のデザインなどの複雑な問題に取り組む際には、複合体形成の予測因子として、

  • inter-monomer pAE
  • conformational change

なども採用されています。

ここからは適応実績ですが、本論文では先の複数の課題それぞれに対して、多様なタンパク質をデザインしています。例を挙げると単量体タンパク質のデザインでは、32, 64, 128, 256残基数のタンパク質配列からデザインした結果が示されています。デザインされた配列は、いずれも高いpAE/pLDDT値であったとのことです。

結合タンパク質のデザインは、Rosetta結合エネルギーで複合体構造を評価し、複合体を形成するに足る良好な値であったと主張しています。デザインされた配列は、すべて標的分子の特定の箇所を結合界面としていたそうです。さまざまな認識領域に結合する多様な分子をデザインすることには課題がありそうです。

いずれの成果も、計算値による評価にとどまり、デザイン分子を実際に調製し評価したデータの開示はありませんでした。いずれ実験データによる検証が望まれます。

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