論文タイトル
AbDiffuser: Full-Atom Generation of In-Vitro Functioning Antibodies
出典
確認したいこと
深層学習を用いたタンパク質デザイン手法をベンチマークしています。
要旨
APMixer というアーキテクチャを利用した抗体のリデザイン手法についての報告です。
解説など
これまでにequivariant diffusion と呼ばれる手法を利用したタンパク質デザイン手法が公開されています。
本論文で公開された手法では、Aligned Protein Mixer (APMixer)と呼ばれるSE(3) equivariant neural network を利用しています。APMixer の特徴としては、残基間の関係性を予測していて、配列長の変化を効率的に処理できることなどが挙げられています。
実施例では、既存の生成モデル間とのインシリコデータに基づく比較をセクション1で示し、ウェット試験を含むデザイン事例をセクション2で紹介しています。
セクション1における評価指標が独特であることが印象的でした。通常は nativeness 示す recovery rate での評価が一般的ですが、本研究では CDR の疎水性、荷電性などが ΔG や IgFold モデルに基づく RMSD と並べて算出されています。MEAN、RefineGNN など代表的な CDR 生成モデルと比較して、総合的に優位な結果が示されています。
ウェットでのデザイン実施例では、HER2 抗体 (トラスツズマブ) の CDRH3 変異体の結合データセットを用いて、CDR を再設計するタスクを解いています。16 サンプルはウェットの評価に進み、すべての検体で発現を確認、37.5 %は結合を確認したとのことです。デノボデザインで評価するのは、ファーストステップとしてはリスクが高いということでしょう。
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